甘い誓いのくちづけを

パーティー会場を抜け出して向かったのは、一階にあるティーサロン。


「本当に美味しいです」


「でしょ？」


英二さんが注文してくれた紅茶を一口飲んだあたしに、彼が得意気に笑って見せた。


その表情にやっと肩の力が抜けたあたしは、ずっと訊けなかった事を口にした。


「あの……一般人のあたしなんかが、こんなに豪華なパーティーに参加しても良かったんでしょうか？」


「Edelsteinの専務が直々に招待したんだから、問題ないよ。大体、俺だって一般人なんだし」


「あっ、すみません……」


「何で謝るの？」


「だって、英二さんはあたしのせいで……」


そこで口籠(ｺﾞ)もると、英二さんがどこか呆れたように破顔(ﾊｶﾞﾝ)した。