甘い誓いのくちづけを
ラベンダーの香りのバブルバスをたっぷりと堪能し、アメニティと自分のメイク道具でメイクを済ませた。


それから少しして、指定していた時間通りにルームサービスの朝食が届いた。


真っ白なテーブルクロスの上に乗せられた、アンティーク仕様のお皿やカップ。


ベリー系のフルーツと生クリームがたっぷりと添えられたパンケーキからは甘い香りが漂い、サラダは何種類もの野菜によって宝石箱のようにカラフルで、見ているだけでも幸せな気分になれる。


ウェイターによって目の前で朝食の準備が整えられていく風景は、まるでお姫様扱いされている気さえした。


「ごゆっくりお楽しみ下さいませ。では、失礼致します」


ウェイターは最後に香り豊かな紅茶を注いだ後、丁寧なお辞儀と上品な微笑みを残して部屋から立ち去った。


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