甘い誓いのくちづけを
キラキラと輝いているように見える朝食を前に、両手を合わせて頭をペコリと下げる。


「いただきます」


ナイフで切ったパンケーキと生クリームを口に運ぶと、上品で優しい甘さが口腔にフワリと広がった。


「美味しい!」


その言葉を漏らした直後、一口目のパンケーキが喉を通り抜けた。


「やだ、本当に美味しい。毎日でも食べたくなっちゃう!」


自然と零れてしまう独り言が、静かな部屋に響く。


パンケーキには蜂蜜色のシロップも添えられていて、それをほんの少しだけ垂らしてから口に運んでみると、また違った風味を味わえた。


あまりの美味しさと、そして昨夜はきちんと食事を摂っていなかった事が相俟ったのか、ボリュームたっぷりに見えたパンケーキをすぐに完食してしまった。


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