甘い誓いのくちづけを
―――――――…



「……彼との馴れ初めに、プロポーズの後の事。それから、瑠花ちゃんの仕事の事を含め、君自身の事についても色々と話してくれたよ」


まずは乾杯をしようという事になって、食前酒のワインを一口飲んでから尋ねた、昨夜の事。


だけど…


少し聞いただけで自分の醜態(シュウタイ)を曝した事が安易に想像出来て、あまりの恥ずかしさに居た堪れなくなってしまった。


「本当にすみませんでした……」


「どうして?」


「だって……初対面だったのに、すごく迷惑を掛けてしまったので……」


初対面じゃないのなら良かった、という訳じゃない。


それでも、“初対面の男性(ヒト)に多大な迷惑を掛けた”という事実に、情けなさが込み上げて来た。


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