甘い誓いのくちづけを
「俺ならきっと、君に似合う最高のリングを見付け出してあげられるよ」


戸惑ったままのあたしにゆっくりと零された言葉は、思わず目を見開いてしまうような内容だった。


冗談なのか、本気なのか…。


それすらもわからなかったけど、理人さんの声が届いた直後にキョトンとしてしまった。


ロマンチックにも思える台詞を鵜呑みにする程、あたしは浅はか(バカ)じゃない。


ただ、停止寸前の思考でどんなに控えめな解釈をしても、それはプロポーズにも似た台詞にしか思えなくて。


そんなはずは無いと思うのに、他の解釈が思い付かなくて。


あまりにも意味深な言葉に、戸惑いも驚きも隠せない。


そんなあたしを余所に、理人さんはあの綺麗な笑みを浮かべていた。


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