金持ち女VS貧乏男
『いい食べっぷりだねぇ』

父は、ちょっと苦笑いを浮かべ皮肉を言ったつもりだろうが、彼には届いてないみたいだ。。。


母はと言うと台所で何か作り始めている。

尾重箱の料理がほとんど無いのだから仕方がない。

『しかしこの栗きんとん旨いっすねぇ。さすがはお節の王様だよなぁ』


気を良くした母は
『じゃぁ帰りに持たせて上げますね』

と、言いながら、お雑煮を出してきた。


母はもう彼を理解したのか、彼の分だけ、お椀ではなく〝どんぶり〟であった。


彼は母に向かい、殺人的な笑顔を振りまいた…




夜も更けていき、宴もたけなわ。
父はアルコールが入り、機嫌が良い。
何やら彼と話しが盛り上がってるようだ。
< 121 / 260 >

この作品をシェア

pagetop