金持ち女VS貧乏男
毎日、取り調べを受け、俺は何度も無罪を訴えた。


だが、結局は起訴され、罪名は傷害罪になった。

警察の勾留期間は20日間しかない。

その勾留期間が終わるとどうなるか。

拘置所に移される。
裁判を待ってる者が勾留される所だ。ほとんど刑務所と変わらない。


拘置所に移された俺は毎日、彼女に手紙を書いた。俺の正当防衛を証明してもらうために。

しかし彼女は面会に来ないまでもか、手紙の返事すら、くれなかった。

自分をレイプした奴らの裁判で、参ってるんだと思ってた。

俺は1回目の裁判で罪状認否で正当防衛を訴えた。

そんな拘置所生活が1ヵ月ほど続いたある日、やっと彼女が面会に来てくれた。

面会室で、久しぶりに見た彼女は、かなりやつれて見えた…。


『なぁ綾子、俺の正当防衛を裁判で一緒に訴えてくれ。じゃないと俺――――』


俺は彼女の返事に驚いた。
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