今さらなのよ!

(そんなことないよ。ほんとに王子様でこんなこと話すことも許されなくなったらすごく悲しいもん。)



(そうだよ。兄貴がもうこの家にいないから、今は家で話せるのはかすみちゃんだけなんだからね。
ひとり暮らしはさびしいよ。)



(あれ、こっちに戻ってくる前は一人暮らしじゃなかったの?)



(ひとりだったよ。だから、同僚とか後輩の家に転がり込んだり、飲み屋で朝まで・・・とかね。
あ、あんまりかっこ悪い話をかすみちゃんには話さない方がいいんだった。
しまったなぁ・・・。)




(あはははは。隆一先生いないと素直ね。
さびしいなら、私がそっちに行って・・・)




(それはダメ!かすみちゃんが大人の女として俺みたいなだらしない奴をビシッと調教してくれるようになるまで、来ることはダメ。

でないと、おやじさんに顔向けできないからね。
それが俺のこだわりで、優しさだと自負してるところだ!)



(もう・・・お父さん何か言ったのね。
変な意地の張り合い?
そんなこといって、私がとってもいい女になってすごいイケメンとラブラブって新聞とかに書かれちゃっても知らないからね~。)



(それは・・・まぁ・・・。)

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