今さらなのよ!
狂気の都会で
かすみは盛名を見上げながら感心している。


「姿はほめてくれても、かっこいいとは言ってくれないんだ。」


「えっ・・・かっこいいなんて言われ慣れてるでしょう?」



「それが残念なことに綺麗だとはよく聞くが、カッコイイはないんだな。
かすみすら言ってくれないし、かすみはもう誰がカッコイイか決めてしまってるだろう。」



かすみは黙った。


「わかりやすいけどイラッとくるな。」


盛名は冷たい口調で言ったわりに表情はにこやかだった。


「王子が好きなのは明白なのに、何をためらっている。
王子もおまえのことは・・・」



「ためらってなんかいませんよ。
王子なんでしょ。王子だったんでしょ。
覚醒させたのは確かに私かもしれないけど、違いすぎる・・・。

それに私は隆祐さんのお兄さんと・・・。
結果はダメでもあの人を選ばなかったんだもん。」



「だから看板娘として話せたらそれでいいなのか?」



「私は高校生よ。まだやらないといけないことだってあるし。」



「2人とも真面目だね~。
ほんとイラっとするよ。
王子の力はあっても治める国はもうないんだからな。
あったら敵として戦うことになるからゴメンだし。

告白しないのなら今から俺がおまえをさらう。」



「な!何を言ってるの?
セイナさんモデルのお仕事だってあるでしょう。」



「仕事はするさ。結婚して続ければいいだけのこと。
甲斐性があることを伝えただけにすぎないな。」

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