今さらなのよ!
かすみは両手で頭をおさえながら、物事を思いだそうとした。


「親父さん・・・私のお父さん・・・誰?わからない。ウソっ!
思いだそうとしても顔すら出て来ない。
私の名前、かすみっていうの?どこのかすみなの?
やだ、何も思い出さない。やだ、もうわからないことだらけで怖い。
怖いよぉーーーーーーー!!!」



かすみが叫んで手をふりまわしてすぐに、木の割れる音がして、ベッドの背が真っ二つに床へとんだ。



「なっ・・・!私って。私は化け物になってしまったんだわ。
やだ、あああっ!」



隆祐はすばやく、かすみの背後にまわりこむと腕に力避けの輪をはめた。



「君は化け物なんかじゃない!この星の人間じゃないだけなんだ。
俺と同じ星にいた人間だから特殊な能力があるだけ。

本当だって。俺の顔をよく見てくれないか。
嘘を言ってる目に見える?それなら記憶がなくても感じるはずだ。」




「えっ・・・ほんとに私はあなたのお嫁さんになる女なの?
お父さんって人に会ったら、お父さんは私がわかるの?」



「ああ、わかるよ。
それに君を操ったやつは俺が退治したから、記憶も近いうちにもどるはずだ。
それまでは俺を信じてとしか言えないけど。
とにかく、信じて・・・。」
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