キスなんてさせない(短編)
「陽菜、あいからわず健太に冷たいねー。
もうちょっと素直になったら?」

親友の可奈が言った。

あたしが健太に素直に?

そんなのありえない。

だってあたしは、前から健太に冷たくしていた。

周りからは、「よく続いてるなー」とかも言われた。

逆に健太が好きな女子からには、
「健太君は、何で日々野さんが好きなのか分からない。
あたしの方が健太君に合ってるー」とか言われた。

あたしだって健太にそう聞きたいよ。

でも、健太に聞くのが怖い。

だって健太に分からないとか言われるのも嫌だし……。

「可奈、あたしにどうやって素直になれっと言うの?」

可奈は、あきれた表情であたしに言った。

「だから普通に素直に言う事だよって言っても陽菜には、分からないよね?」

どうせあたしは、分からないよ。

心の中でそう思った。

「どうせあたしには、分かんないよ」

あたしが可奈に言うと、「でも、いい加減素直にならないと後で後悔するよ。
女子なんか健太君狙ってる人多いんだから」

そんな事、分かってるよ。

でも、私は周り見たいに素直になれない。

「分かってるけど……」

「まあ、陽菜がいいならいいけど」

キンコーンカンコーン……

チャイムが鳴った。
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