千尋くん、千尋くん







────────────────






「あるみ、痩せた?」



「あ、うん……春休みダイエットしたんだ」



「あんまり無理すんなよ、なんか顔色も良くないしさ」



「大丈夫だよ、ちょっと風邪も引いちゃったりしただけだし」






高校の入学式。




本当は家で寝ていたかったし、学校で嘔吐したりしないか不安だった。




だけど、辛いながらもあたしが元気になるように、栄養のあるご飯を作ってくれているお母さんを見ると、それには答えるしかなかった。





クラス発表で一緒になったヒメちゃんと、慣れない高校の廊下を歩きながらそんな会話をする。






ダメだ。



やっぱりヒメちゃんにも迷惑はかけられない。




寄りかかっちゃいけない。







そう思うと、その時のあたしは、やっぱり誰にも頼ることができなかった。






< 291 / 397 >

この作品をシェア

pagetop