レンタル彼氏 Ⅰ【完結】
そういや、泉のことなんかすっかり忘れてたな。

ラブホで契約破棄宣言してからだな。


あれでよかったんだよ。
俺を好きなのは幻想だ。

たった、数日で俺の何がわかる?


…泉は俺の中身を見てたんじゃない、見た目だけだ。


そんな軽い“好き”なら早い内に切っておかないと、それこそ残酷だ。


泉は、りさを思い出させた。
見た目も、喋り方も全く違うけど…。


泉の心は真っ直ぐで綺麗だったから。



…………。



違う。
きっと、あのまま泉といたらヤバかったの俺だ。


泉には話してもいいような気になる。
それを防ぎたかった。


俺に自由なんかないのに、自由を夢見てしまう。



俺の過去を知ったら泉はきっと嫌になるはずだから。
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