黄緑絵の具
きっかけは呼び出した悪魔。
出会ったのは黄緑色の絵の具。
すべての始まりはここ“桑原屋”だ。
もう孤独な僕はいない。
愛する者達に囲まれている。
もう一人じゃない。
妻は元使い魔で、家族は悪魔。
非現実的だけど、これが僕にとっての現実。
だけどとても素敵だと思う。
だって、こんなに幸せなのだから。
『シュウ用意できたよ。早く行こう?』
差し出された手を掴み、スグリを抱き寄せる。
『ダメだってば…みんな待ってるよ。』
困り顔のスグリにキスをした。
『スグリ、愛してる。ありがとう。』
僕等はしっかりと手を繋ぎ、みんなの待つ居間へと歩き出した。
fin.