やくそく花火

体育館裏は、ちょうど木の陰に隠れていて涼しかった。

「どうしたの?萌香ちゃん…」

「あのぉ…春野先輩は、太陽先輩と付き合ってるんですかぁ?」

うへ!?なにこの子!?

びっくりするじゃん…付き合ってないし…

「付き合って…ないよ?」


ズキ───


別に間違えてない。間違えてないけどキツいなぁ

気まずくて目をそらしていたけど、萌香ちゃんを見ると…。

「ほんとぉですかぁ!?良かったぁ…」

ん…?良かったって?

「ずっと思ってたんですぅ。それで不安で…」

もしかしなくてもこの子…太陽のこと

「実は萌香ぁ…太陽先輩の事が好きでぇ」

「へ…へぇ。そうなんだ…」

なんでそんな事あたしに言うんだろ…。

なんか嫌な予感が…

「それでぇ…先輩にお願いがあってぇ…。」


ドクン──────


「お願い…?」


ドクン──────


「はいっ!!あの…先輩に、協力してほしくってぇ」


ドクン──────

あぁ…そっか、そうなっちゃうのね…

むやみにホイホイ言うんじゃないなー…


いや、間違ってないけど
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