ネクロフィリア【加筆執筆中】
「…頼めない、よね?」

「いや、それじゃ他殺じゃん」

「はは、確かに」

再度、剃刀に視線を戻すと

「じゃあ、いくね」

覚悟を決めた藤井さんは呟くように言った。

ゆっくりと、剃刀を手首に当てる。
それから目を瞑ると一気に引いた。

スパっと一直線に切れる手首。
そこから鮮血が滲みだす。


俺はそれを黙って見つめる。


「…いっ」

痛みに耐えながら、藤井さんはその傷口を見た。

それから

「………私の血、赤いね」

そんな意味不明な事を言い出す。


「は?」

「…私の血も、皆と同じなんだね」

「当たり前じゃん」

「…そっか」


藤井さんはそれが嬉しいのか、少し口元を緩ませる。


最後の最後まで…藤井さんは理解出来ない。

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