ネクロフィリア【加筆執筆中】
「よかった、最期に好きな人と一緒にいれて」

「………」

ぽつりと、小さな声でそう言うと藤井さんは切った手首を水を張った湯船に浸ける。



「こうしてればいいの?」

「うん」

「わかった」

「…手、繋ぐ?」

「…うん、ありがと」

睡眠薬が効いてきたのか、虚ろな瞳で俺を見る藤井さんはゆっくり俺へと手を伸ばす。

その手を俺は取ると、隣に座りこんだ。


衣服が濡れたけど、気にしない。


「…あったかあい…眠くなってきた」


藤井さんは目を閉じまいとするけど、睡魔に逆らえず静かに瞼を閉じた。
そして、そのまま寝息を立てる。


「………」


何も言葉に出来なかった。


一直線に切った傷口からは煙が出てるかのように血が浮かんでは消える。

その、血液達を俺はぼーっと眺めた。
< 120 / 144 >

この作品をシェア

pagetop