その女、最強総長【完】


そんな男でも弱見をみせることがあった。



「なあ、恋愛ってどんなもん?」


「さあ…、したこと無いから解りません。」


「そっかあ…」



前に、看護師さんから聞いたけど、卓也も蘭と同じ癌を患っていて5歳の時からこの病院に入っていたらしい。


奇跡的に、一度は癌も克服したことがあったのだが次の検査で直ぐに転移していたことがわかったらしい。


卓也はその繰り返し、だから卓也にとって外の世界は異次元みたいなもんなんだと思う。



「なあ、凛ちゃん恋愛せぇへん?」


「は?」


「俺とさ。」


「好き同士でも無いのに、付き合ったって意味無いじゃん。」


「そうだよねえ。」



卓也は眉を一瞬八の字にしていたけど、直ぐにいつものチャラついた笑顔に戻って。



「治療頑張るわー!」


と言っていた。



今、私は卓也同じ様現実に立っていて思う。


卓也って、強いんだなあって。


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