その女、最強総長【完】


蘭が居たこの部屋は昔に比べてとても大きく感じた。


私にとってはこの部屋は大きすぎたのだ。



そして、そんな時私の頭の中を過ぎったのは"仁"だった。



「仁…」



名前なんて呼ばなければよかったと、直ぐに後悔した。


呼ぶと呼ぶだけ悲しくなる。


でも、止まらなかった。



「仁、仁…仁…」



呼べば呼ぶほど涙も出た。


何で、傍に居てくれないのって。


仁は、私の事探してくれないのって。



勝手な感情が溢れ出した。


< 320 / 470 >

この作品をシェア

pagetop