その女、最強総長【完】
蘭が居たこの部屋は昔に比べてとても大きく感じた。
私にとってはこの部屋は大きすぎたのだ。
そして、そんな時私の頭の中を過ぎったのは"仁"だった。
「仁…」
名前なんて呼ばなければよかったと、直ぐに後悔した。
呼ぶと呼ぶだけ悲しくなる。
でも、止まらなかった。
「仁、仁…仁…」
呼べば呼ぶほど涙も出た。
何で、傍に居てくれないのって。
仁は、私の事探してくれないのって。
勝手な感情が溢れ出した。