ケータイ小説恋愛


4月_。



新しい出会いがたくさんある月。


今日、2年生になった。


清々しい気分で学校へ向かう。



校門の前で新しい先生が挨拶しているようだ。





「君、スカーフほどけてるよ、」





ふと、見知らぬ先生に話しかけられた。







ちょっと高いその声は透き通ったように私に響いた。

初めて聞く、美声。


見上げた瞬間、私はおもわず、

息を呑んだ。



「あ、、、」



ブラウンの大きな瞳、

その瞳に私は吸い込まれそうになった。



「ん?スカーフ、ほら。」



のびてきたキレイな指先によって私のほどけていたスカーフが

結び直された。



「あ、ありがとうございます。」

「おう、」



もう一度見上げると、ニッコリと笑って

また正面を向いて挨拶をしている。



その笑顔は

幼い子供みたいな無邪気な表情を覗かせた気がした。



ちょっと色黒で、

いかにも運動が得意そうな彼は

きっと体育科の新しい先生。



校門を通りすぎてからも

瞼の裏にはさっきの笑顔が映っていた。




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