どうして好きなんだろう

「うん、まあ、大丈夫。でも、そういう長谷川くんも忙しそうだったよ?」

視界の端っこで無意識にいつも入り込む彼は、他の男の子達とじゃれ合いながら時間を過ごしていて、ゆりちゃんのもとに来ることなんてほとんどなかった。

もちろん、焼きそばを盛り付けたお皿を持ってきたり、飲み物もってきたりはしていたけれど。


「直。」

「え?」

唐突に告げられた彼の名前に、何のことかわからない。

「直でいい。みんな、そう呼ぶから。」

「あ…、」

そう言われて名前を呼びかけるけれど、直くんって呼ぶのはガラじゃないし、どうしても彼女がチラつく。

でもいきなり直って呼ぶのもなんだか恥ずかしいような、図々しいような…。
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