どうして好きなんだろう

…早く、終わらないかな。

もう日はだいぶ傾いてきて、色とりどりの浴衣もだんだんと皆同じ夜色に染まる。

真夏といっても、夜の川辺は少し風がでてきてひんやりした草の匂いを連れてくる。

男の子たちはテキパキと後片付けを終えて、多分今度は花火の準備。

本物の花火大会が始まるまでに自分たちもやろうって義人が言っていたような気がするから。

ほんと、みんな良く働く。これじゃあいい所は見せれても、肝心の自己アピールが全然出来てないんじゃないかと余計な心配までしてしまう。


「おい、今日はえらく大人しいんだな。」

みんなの輪にいるようで、全く会話に参加せずに端っこで座っているだけの私。

まさか…と思いながら振り向くと、少し申し訳なさそうに歪んだ顔の長谷川くんがいた。

「地元のやつばっかだからな、悪いな。…義人も忙しそうだし。」

自称だと思っていたけれど、義人は実際いろんなところから声をかけられてアッチコッチしている。
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