どうして好きなんだろう
「理央、お前、何した?」
「は?」
なに、言ってんの?何した、ってどういう意味?
眉を寄せて軽蔑でもしたかのように私に送られる視線。
それにつられて、周りを取り囲んでいる皆の視線が注がれているような気になる。
まるで遠い昔、教室で皆に疑われた時のような既視感。
誰も私の言うコトなんて聞いてくれない、何も信じてもらえない。
一番信用してくれるはずの人に…信じてもらえない。
「よしと…何で?」
耳の周りがザワザワして、頭がうまく回らない。私じゃない、何もしてない…。
「まさか、わざと、じゃないよな…?」
もう、無理…。
小声で確かめるように、でも自信なく出された言葉は、ゆりちゃんを水が出る場所まで連れて行ったりでざわつく皆には聞こえてないようだったけれど、私の瞳にはしっかりと映り、まるで耳元で呟かれたようにはっきり聞こえた。