どうして好きなんだろう
夜が深まるにつれて時折強さを増していた川風が、そんな二人の間をざざぁっと通り抜けた時。
「きゃっ、あつっ!」
ゆりちゃんが右手を押さえながらしゃがみ込む。
それを見て自分の花火を放り出して彼女に触れようとした途端。
「ゆり!大丈夫か!?」
またしても背中によって塞がれる私の視界。
突然現れたその背中に、後ろにしりもちをつきそうになったため、行動が一歩遅れる。
その間にも次々と駆け寄ってくる人や、掛けられる言葉。
「ゆり!大丈夫?火傷した?」
「おい、誰か氷買ってこいよ。あれ?それとも水で冷やした方がいいのか?」
「痛くない?大丈夫?」
そんな中で、私の背中を塞いだ義人の言葉に耳を疑う。