どうして好きなんだろう


「理央、待たせてごめん!」

そう言って現れた義人の頭は、まるで中学生のように綺麗な坊主頭で、あまりに驚くと言葉って出てこないことを、改めて思う。

「あ、びっくりした?オレはもうだいぶ慣れたんだけどな。」

夏の日差しが良く似合いそうな頭を触りながら目尻を下げる。


それは、予想していた義人ではなくて、笑顔の義人で。

思いもよらない出来事に私の口からはまだ挨拶の言葉も出てこない。


「理央にメールした後、自分でやった。案外うまく刈れてるだろ?…オレさ、ほんとに最低だよな。理央は何も悪くないんだよ。オレが全部悪い。自分に自信が無くて、理央ばかり疑って、縛って、傷つけて。」

まっすぐに私を見つめて一言ずつ自分に言い聞かせているように発する。

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