どうして好きなんだろう

きっと、美容師志望の義人だったらもっとオシャレ坊主に出来ていたはずなのに、お世辞にもカッコいいとは言えないくらい不器用な坊主頭。

「理央、オレに…もう1度チャンスをくれないかな。もう、こんなことは絶対しないから。」

その真摯な瞳に、私の邪な気持ちが勝てるわけがない…。

自分でも気付かないうちに直に惹かれていたとしても、義人のことを騙そうとしていたわけでもないとしても。

義人の視線から逃れるようにわずかに下を向くと、爪が食い込むくらいに握られた両手の拳は少し震えていて。

逡巡する私に追い討ちをかけるように、義人の言葉は続く。


「直にも、ちゃんと謝ってきたから。あいつもオレの頭見てかなりびっくりしてたけどさ…でも、ちゃんと理央のこと大事にしてやれって応援してくれた。」
< 120 / 215 >

この作品をシェア

pagetop