どうして好きなんだろう
図書室の中をずるずると引きずられるように歩く私の掴まれていたはずの手首の熱さは解かれ、ごく自然に直の左手に私の右手が納まっている。
まるで掌に心臓があるみたいにドクンドクンと波打って、じんわり汗までかいてきた気がして思わず右手を引くけれど、後姿しか見えない直に改めて握り直されてしまう。
長身の直に小走りでついていく間、直は私を振り返らないし、私も直を見上げることなく俯いたままで。
だって、どう理解していいのかわからない。
直が私の手を握っていることも、離そうと思えばいつだって解けるその繋がりをお互いが解こうとしないことも。