どうして好きなんだろう

はぁ~…美味しいご飯が待っているはずなのに、こんなところでびしょぬれって…。

こういうところで、何もすることがない時間はほんとに危険。

何かに一生懸命になってないと、私の思考は簡単に直に支配されてしまう
から。

もうしばらくその声も、顔も、後姿でさえ見てないのに。私の脳裏は直を浮かべて、耳は直の声を思いだして、目は直の姿を探してしまう。



……って、うそ…?

少し離れた屋根のないベンチで、放心したように足を投げ出し、俯いて座っているのは紛れもなく本物の直で。

今となっては全く雨除けにもなっていないパーカのフードを目深に被っているけれど、その口元だけでも私にはわかる。

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