どうして好きなんだろう
「おはよう、真尋。」
「おはよ。」
駅の改札を抜けた柱に寄りかかって本を読む真尋に近づきながら声をかける。
最後の日は、待ち合わせをして駅から真尋と一緒に同じ景色を見る。
思えば、一度もこうして真尋と朝の通学路を通ったことはない。
傍からみたらやけにドライな友情関係かな、と思うとふふっと笑みがこぼれる。
「なに、気落ち悪い。」
「いや、だって、私ら付き合い短くないのに、こうやって登校するの初めてだよ?」
「それが?」
「仲良しじゃないみたい。」
「…くだらない。そんなことで仲の良し悪しって決まんないでしょ。」