どうして好きなんだろう
…今日が卒業式でよかった。
いつもは鞄に入れてあるハンカチも、今日は制服のポケットに入っていて。
口元に当てたそれは、両目から流れ出る涙をすぐに拭い取ってくれている。
沈黙している電話の向こうは、きっと私が泣いていることもわかっているのだろうけど。
「…オレ、理央と別れたことすぐにあいつに言わなかったんだよ。ズルイだろ?オレ。認めたくなくて、拒絶したかった現実だったから…。」
「…ごめん。」
「…もういいんだよ。てか、オレも最低だし。……オレさ、しばらくしてあいつに伝える時、『理央が浮気した』って言ったんだよ。」
「え……。」