どうして好きなんだろう

いつもより歩幅が狭くなる私に合わせてゆっくり隣を歩く義人。

いつもは室内で部活三昧だったから小麦色とは程遠かった肌も、夏休みに入って海やら山やら飛び回っているおかげでなんだか引き締まって見える。

目尻の下がる笑顔と甘いハスキーボイスを封印すれば、所謂男前ってかんじだけどな。

そこで、やっぱり思い出す彼のすらっとした後ろ姿。

男前って言葉からすぐに連想されちゃうんだよな、あの人。

チャラチャラしてるのなんて想像すらできない。

そういえば、長谷川くんも義人の地元の友達なんじゃ…。


嫌な予感がして私の手をつないだまま上機嫌な隣に問いかける。

「ねえ、今日ゆりちゃん来るの?」

あえて彼女の名前を出すとびっくりしたように目を丸くさせるけれど、妬いているのかと思っている義人はすぐに嬉しそうに答える。

「心配しないでいいよ。ゆりの前でもオレちゃんと理央だけ見てるって証明できるから。」

私を安心させるようにつないだ手をぎゅっと握りなおす。
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