どうして好きなんだろう
「理央ちゃん…よね?私のこと覚えてる?」
聞き覚えのある可愛らしい声に、その彼女の白い肌を思い出しながら振り向く。
「ゆり…ちゃん。」
「あ、よかった!おぼえてくれてて。今日は大変なことになっちゃったよね、こんな格好で。」
そう言って自分の浴衣の袖を持ち上げる格好をする彼女。
それは本当にシンプルな濃紺の浴衣…だけど、私の目からみてもすごく高そう。
柄も上品に金魚があしらわれているだけなのに、飾り襟や帯の質感が安っぽくない印象を与える。
「かわいい…浴衣だね。」
それが、彼女には着慣れているようにすんなりはまっていて、思わずぽろりと漏れる。
「あ、ありがとう。おばあちゃんに買ってもらったの。でも、地味でし
ょ?」
頬を薄く染めて微笑む彼女はとても可愛くて、上品に結われた艶のある黒髪も、浴衣からのぞく白い肌も、見るたびになぜか胸がちりちり痛む。