君のコト、さらっていいですか…?
『大声出すな、耳痛い』

明らかに感情のこもってない声。

もう何を言っても無駄なの?

「私だってあんたいなくて

勉強わかんなかったんだから…!」

『だからそんなん恋人に…』

もうダメなんだね、愼樹。

「もういい!!

あんたなんか好きなんかじゃない!

大ッ嫌い!」

ブツンッ

私は思い切り電源ボタンを押して

電源を切る。

もう愼樹なんていらない。


私は階段を降りた。

「どうしたの、莉津」

「お母さん、携帯水没させちゃったから

新しいの買って貰えないかな…?」

もうあいつの声なんて聞きたくない。
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