君のコト、さらっていいですか…?
携帯は今週末に

探しに行くことになった。

もうあの携帯は見ることはないんじゃ

ないかな、

もう無理、これ以上考えると痛い。

「愼樹くんと進展あり?」

「文、もういいよ、あんなのこっちから

狙い下げ」

私は手をヒラヒラさせる。

「なんでそうやって諦めちゃうのっ!」

私の肩を揺さぶる文。

「だってあっちがその気なんだもん!

私は今も大好きなのにもうあっちは

私のことなんて

どうでもいいみたいだから

諦めるしかないじゃん!」

私は泣き叫んでいる。

屋上で、ここで数週間前まで

あんた求めて泣いてたのに

今は拒絶して泣いてる。

「もう…や、なんだもんっ…」

ずるずるに崩れ出す。

「私、愼樹くんに言ってくる!」

私は文の手を引いて止める。

「もう…触れたくないの…

もう崩したくないの、もういい…」

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