あんたなんてほんと大っ嫌い! …嘘。大好き。【完】



「こいつも入れたら?つえぇーんだろ喧嘩。」


女は俺を指す。やっぱ喧嘩…

「こいつは無理。」

当たり前だ。勝手に入れられてたまるかよ。


「え~何でー?…まあ、女拉致って脅すのにそんな人数いらねーか。」


は?

え?



「女…拉致る…?」


俺は、震える声で言った。




「そーだよ。何でも爽也が落とせねー女がいるんだとよ。大袈裟だよなー」


ははっと女は笑う。


「あーあ、桜言っちゃった。計画モロばれじゃん~?」

爽也は鼻で俺を笑った。


「何で?あんま関係ねーだろ黒川ってやつには…」


女は首を傾げる。



「関係大ありなんだよ‥。」

クックッと爽也は笑みを 零す。



「てめぇ、あり得ねぇ。」


俺は爽也を睨む。


「何だよ、何の話だよ?説明してくれよー」


女は爽也の腕を掴んだ。


「触んな。ゲス!」

女はパッと爽也から手を 放し、そそくさと帰って行った。


「気付かれちゃったなー。まあいつかバレるし?精々ちゃんと百合を守ってやってくれよな!…ちなみに言っとくけど俺、欲しいものは何をしても手に入れるやつなんで」


爽也はハッハッハッと 笑いながら帰って行く。



俺は校舎裏に1人、
絶望的な顔をして
立ち惚けていた。












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