あんたなんてほんと大っ嫌い! …嘘。大好き。【完】
はーっ、落ち着いた。
体中痛いけど心は
なんとか立ち直ったかも…
「…もう大丈夫?」
勇輝は私にずっと気遣って くれてた。
「うん、ありがと。」
嬉しいな…
「そ?」
勇輝は私からスルリと
抜けるとジッと苦しそうに 見ていた爽也に詰め寄った
バキッ!!!
勇輝は思いっきり爽也を ぶん殴った。
「ちょ、勇輝!?」
私は焦る
「お前に百合の気持ちが分かんのか?信じてた奴に裏切られ、大人数でリンチにかけられてボコボコにされた。それに」
「やめて!勇輝、結果的に爽也は私を助けてくれたんだから…」
「ふざけんな!仕掛けたのはコイツだろ!?自分でやらせて助けるとか意味分かんねえ。まず、すんなっつー話だろ!!百合がどんな怖かったか、辛かったか、テメェ同じ思いさせてやろーか!!?」
っっっ!!……
勇輝はこちらを向く
「あっ!百合ワリィ…」
「ううん」
爽也はうなだれて聞いてるだけ。
「勇輝、ほんとに止めて。辛かったけど、爽也と勇輝に助けられて今は大丈夫なんだから!爽也を責めるのは、やめてほしい…」
爽也は驚いた顔をする
「だけ…」
「私がいたたまれない。確かに爽也が悪いけど、助けてくれたのも爽也なんだからそんな責める事は出来ないよ?」
勇輝の顔が歪む
「それに私もう、さっきまでの事忘れちゃった!だって爽也と勇輝が私を助けてくれたんだもん。やっぱり私、幸せだよー?」
ニコッと私は笑いかける
「分かったよ!!その代わり、お前はもう百合に近づくな」
勇輝は爽也を睨み付けた
「あぁ。分かった」
爽也は案外あっさり認めた
「とりあえず、終わって良かっ…ッッ!?」
痛っ!
多分、今まで気が張ってた から痛みが…
爽也が私に触れようとする
「大丈夫かっ!!」
バチっ
「百合に触れんな。」
あ、冷たい声…
「ワリィ…」
爽也はパッと下がった
私はそのまま病院に運ばれた。