あんたなんてほんと大っ嫌い! …嘘。大好き。【完】



「俺も…その通りだと


思います。…俺はこれで」

ガタッと立って


スタスタと歩いて行く


直人くん。


周りの女性がみんな


振り返る。うわ、凄っ!


…勇輝はそれ以上…か。


分かってはいたんだよ?

勇輝は、モテるし


有り得ないくらい賢いし

ヤンキーのトップ


だったっけ?


私とは、全部の位置が違う。

私は分かってないフリを

していただけ。


勇輝が私のことを「好き」


って言ってくれるから…。

私、一緒にいても


いいのかな?って。


ちょっとでも勇輝の


力になってるのかも!って

…私の存在って


やっぱり邪魔だったん


だね?


流石に他のみんなを


差し置いて私だけ


幸せにはなれないもん。

それに私ワガママだから


一緒にいたら、勇輝の


安全を願ってしまう…


あ、ヤバい。


何で私は勇輝のことに


なるとこんなに


涙もろいんだろう??


すぐ泣く女なんて


嫌いなのに。


他の人の迷惑だ…


お店出よう。


あ、直人くん私が飲んだ

カフェオレの分まで


払ってくれてる。


ほんと嫌だ。何でこんな

ことなんかで勇輝を


思い出すんだろう?


自分の弱さにほんと


嫌気がさしてくる。


道をトボトボ歩く私


ダメ!勇輝がこんな私


見たらきっと心配する!

…でも、ちょっと


限界かも。


奈美の家に行こ…





「…え、百合それは


いいんじゃないの?」


私の前にジュースを


出しながら言う奈美


「…っだにが!?」


号泣しながら喋る私。


…やっぱり私と勇輝は


付き合うべきじゃ


なかったんだ…




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