あんたなんてほんと大っ嫌い! …嘘。大好き。【完】



「で、話って?」


私は唐突に話をふった


直人くんの顔が引き締まる


うわ、迫力ある…


「勇輝さんのこと


なんですけど」


「…うん」


なんか緊張する!


「別れてもらえませんか?」

……?


ん?


は?え゛?


「どっゆ…こと?」


「理不尽なことを


言ってるのは分かります。

でも、勇輝さんは


うちのグループの顔


なんです!最近集まる


時間が減っている所か


学校に通ってるらしいじゃ

ないですか!しかも


ケンカだってしなくなって


いるし、有り得ねぇっす」

う、確かに。


多分それ全部私の為だ…

「でもっ」


「…勇輝さんは俺の


昔からの憧れで、ケンカ


も最強に強くて優しくて

女なんかにも、一度も


溺れたことなかった。


勇輝さんは俺の目標なん

です!メンバーのみんな

だって。でも最近は


みんな陰口叩いたりとか

やっぱあいつは器じゃね

ぇとか、もぅ俺あんなの

聞いてらんねぇ!」


「っっ!」


私のせい。なんだよね


「…ぅん、分かった」


「えっ!別れてくれるん


スか!?」


「ちょっと、考えさせて。」

直人くんは舌打ちをした。

「勇輝さんはこっちの人間だ」

「っ、それも分かるっ!でも

私はもぅ勇輝を好き


過ぎるから時間が欲しいの。

みんなが困ることも、


勇輝に話したら無理して


両立しようとする事も


分かるよ?だって勇輝は

一目見た時から、私達とは

生きてる世界が違うなって

思ったもん!…だから、

私とそのグループとじゃ

きっと私を選ぶことはない。

勇輝にはどっちも大事


だから。…ううん、グループ

のが大事かもね?」









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