触れないキス
教室を出ると、先に終わったらしい凛が腕を組んでムズカシイ顔をしながら待っていた。


「ねぇ瑛菜……あたし文化祭中に何かが起こるって言われたんだけど」

「えっ!?」


凛もそんなこと言われたの?

まさか口裏合わせてるとかじゃないでしょうね……。


「『神様仏様に誓って本当?』って問い詰めたらタジタジになってたけどね。まっ、たかが文化祭の出し物だから最初から本気にはしてないけどさ」

「アハハ……だよねぇ」


そう。凛の言う通り、これはただのお遊びなワケで。言われたことを真に受ける方がおかしいのかもしれない。

それでも多少気にしてしまうのはやっぱり占い好きな乙女心のせいなのか。

それとも、あの子の異様な雰囲気と説得力のせいなのか……

私は変な胸騒ぎがして仕方なかった。


「ところで、瑛菜は何を占ってもらったの?」

「えッ!? え~っと……け、健康運!」


別に隠さなくてもよかったのに、咄嗟に適当なことを言ってしまった。


「なにそれ。おばあちゃんじゃあるまいし」

「そう言う凛は何を占ってもらったのー?」

「……き、金運よ! 金運に決まってんじゃない!」


私達って、嘘が下手だなぁ……。絶対凛も恋愛運のくせに。

こんな素直じゃない私達の近い未来は、一体どうなるのだろう──。




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