やっぱり、好きだ。
 
 
 ・・・こんなに持ってこなきゃ良かったよ。玉ねぎって使い勝手いいし、日持ちもするし、みんな喜んでくれるだろうと勝手に思っていたけれど、思いっきり迷惑かけてるじゃん。

 『はぁ』溜息を吐きながら、道の端っこへと移動すると、手に持っていたダンボールを地面に置き、その上にビニール袋を乗せた。

 失敗したなぁとしゃがみ込んでいると、目の前に1台のSUVが止まった。

 「お待たせ」

 颯爽とその女ウケの良さそうな車から降りてくるイケメン・青山くん。そりゃ、モテるわ。そりゃ、彼女持ちって分かっていながらも朝倉先生が狙ってしまうわけだわ。

 妙に納得しながら立ち上がり、

「お手数お掛けしてすみません」

 このモテ車に玉ねぎを積んでしまって良いのだろうか??と戸惑いながらも、ダンボールを持ち上げると、

 「いーえ」

 青山くんが私の手からダンボールを取り、車のトランクに入れた。

 大量の玉ねぎも、イケメンが運転するモテ車に乗ってしまえば、『これからキャンプでパーティーです』風に見えなくもないかもな。的などうでも良い事を考えていると、

 「よし!! じゃ、サヤ子も乗って」

 と青山くんが助手席のドアを開けてくれた。イケメンジェントルマンだよ、青山くん。だから、そりゃモテるに決まってるよ。もう、本当にこういうの止めてくれないだろうか。どうしたって嬉しくなってしまうから。
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