やっぱり、好きだ。
青山くんが、職員玄関前の駐車場に停車させる。
「すみません。ありがとうございました」
シートベルトを外し、速やかに車を降りると、
「どういたしまして」
青山くんも車から出てきて、トランクを開けた。2人で玉ねぎが入ったダンボールとビニール袋を取り出そうとしていると、
「何で青山先生と高村先生が一緒に出勤してるんですか??」
朝倉先生が眉間に深い皺を寄せながらこっちへ向かって来た。そんなに睨まなくても・・・。
「俺が乗れって言ったから」
イヤイヤイヤ。心の中で青山くんに突っ込む。
成り行きを端折って結果だけ言ってどうするんだ、青山くん。余計に誤解されるでしょうが!!
「おはよう、朝倉先生。 実は、叔父から大量に玉ねぎ送られてきちゃって・・・。バスで運ぼうとしてたのを、見かねた青山先生が車出してくれたの。 良かったら朝倉先生ももらってくれないかな??」
『ホラ!!』とダンボールの口を開け、朝倉先生に見ると、
「多っ!! なんだぁ。高村先生、どんな手使ったんだろうと思っちゃった。私、玉ねぎ好きなので是非いただきます。どのくらいもらっていいですか??」
誤解は解けた様で、すぐさま朝倉先生の機嫌は元に戻った。