やっぱり、好きだ。
 
 「帰りは荷物ないですし、大丈夫です。それに、桜井先生にあらぬ誤解が生じるのも嫌ですし」

 やんわりお断りすると、

 「瑠美はそんな事で目くじら立てる様なヤツじゃないよ」

  青山くんの表情が少し歪んだ。

  瑠美・・・桜井先生の事だろう。

「青山先生は桜井先生が大好きなんですね。さっきの私の言い方、語弊がありましたね。私も桜井先生はそんな人じゃないと思います。ただ、私が仮に青山先生の彼女だったら、自分の彼が他の女の人を優しく扱うのは嫌だなって・・・。私は心が狭いから。・・・あ、『仮に』です。・・・気持ち悪い話してすみません」

  何を言っているんだろう、私。

 車に乗せてもらっている分際で、さっきから青山くんの気に障る事ばっかり言ってしまってるよ。

 「~~あー。もー。自分が嫌になる」

  青山くんが突然、私が思っていた事を口にした。

  「・・・私の心の声、漏れてました??」

 「は??」

 話が噛み合わないまま学校に着いた。
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