やっぱり、好きだ。

 「ダメだよ。俺、瑠美の責任はとらないって言ってんだよ??」

 「責任なんてとらなくていい!!」

 瑠美の肩を掴み身体を離すと、そこには顔をグシャグシャにした瑠美がいた。

 大好きだった、大切だった瑠美が、壊れそうに泣いていた。

 「・・・よく『海に瑠美とサヤ子が溺れてたら、どっちを助けるか??』って質問あるじゃん」

 「・・・」

  「俺、迷わず瑠美を助けるよ」

 瑠美が俺の目を見て、大粒の涙を零した。

 「俺は瑠美を助けて、サヤ子と死ぬ」

 俺は瑠美を見殺しになんかしない。どうか、瑠美に俺の誠意が伝わって。

 「・・・・・・何それ」

  瑠美がその場に崩れ落ちた。

 「俺、サヤ子とだったら死でもいい。でも、瑠美とは死ねない。瑠美には幸せに生きていてほしいと願うから」

 「・・・例えが重いよ」

  瑠美が泣きながら呆れた様に少し笑った。
< 230 / 353 >

この作品をシェア

pagetop