やっぱり、好きだ。
 
 「青山先生、眠れないの??」

 「うん・・・てゆーか、『青山先生』ヤメテ。ここ、学校じゃない」

 「さっき、私の事、『サヤ子センセ』って言ってたましたけど」

 「ハイ、ワンペナー。敬語禁止のはずでしょ」

 サヤ子のオデコを軽く『ペシッ』と叩くと、サヤ子が『ぬーん』と変な声を出して唸った。

 『ぬーん』て・・・俺、悔しい時にそんな声出ない。つーか、普通出ないだろ。やっぱりサヤ子は面白い。

 「ペナルティ、何です・・・あっぶな!! 何??」

 サヤ子が自分のほっぺたを『パシン』と叩いた。

 ・・・何その古いリアクション。 

 「イヤイヤ、今のギリアウトだろ。つーか俺、サヤ子に敬語使われたの、何回か見逃してやってんだけど」

 「こういうのは現行犯だから、見逃した分は無効です・・・じゃなくて無効!!」

 何そのサヤ子ルール。

 「イヤイヤイヤ、今の完全にアウトだろ」

 「セーフだよ。・・・細かいなぁ」

 サヤ子があからさまに面倒臭そうな顔をした。
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