やっぱり、好きだ。
 
 「いや、別に。俺の気持ちを話したところで、モテモテ馬鹿な青山先生に理解出来るかなーと思いまして」

 「言ってくれれば分かるっつーの。俺、理系だから『察する』とか無理だけど」

  『察する』事が出来ないのを理系のせいにするしな、青山先生。

 天然なのか、子供っぽいのか。

 なんか、青山先生ってサヤ子先生に似てるよな。あぁ、だから俺は2人とも好きなのか。

 「キスしたのは・・・『桜井先生の淋しさを薄めてあげるから、俺の淋しさも埋めて下さいよ』って事です。最低でしょ?? 俺」

 だっせーな、俺。自分に呆れて、笑いながら溜息が溢れた。

 「・・・違うと思うな」

 「は??」

 イヤイヤイヤ、俺がそうだって言ってんのに何『違う』とか言ってるの、青山先生。

 予期せぬ青山先生の言葉に、若干遠い目をしていたであろう俺の目は、完全に青山先生にピントを合わせた。
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