スーパーニート★パラダイス

多喜也が静かに、静かに呼吸と共にセリフを吐き出す。

「人は皆、自分の周りを守るだけで精一杯なんだ」

ナイフを構える動作。

「それが仲間であり、家族であり、国家だ!」

次の瞬間首に刃を突き立てられ殺されるかもしれない、という緊張感。

咲花は息を呑む。

先程肌寒い風が吹いたばかりだというのに、多喜也の額には汗が滲んでいた。

「争いが絶える事は無い。一時の平和の代償に、人は悲しみの連鎖を紡いでいく……。それが…人の限界だッ!」
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