スーパーニート★パラダイス


時間が硬直する。

暫くの沈黙の後、多喜也は身体の筋肉の緊張を緩めて、暗殺者から現実を生きる只の青年へと戻ってきた。

パチパチパチと手を叩く音が響く。

多喜也がベンチを見ると、夢見心地の様な表情をした咲花が多喜也に拍手を送っていた。

「……一度原稿を見ただけで……これだけの長いセリフの一場面を演じてしまうなんて……驚きました」

まだ興奮冷めやらぬといった口調で、咲花は賛辞を送る。
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