スーパーニート★パラダイス
「今みたいに初めて“役”を演じる時って……凄くドキドキするんだ。自分が全く知らない他人になる。けど、自分は絶対にその他人とは別人だから少しでもその人物の行動を、気持ちを理解しようとする。キャラクターを理解して、徐々に親しくなって、そして少しずつ少しずつ、その人物像が自分の中に浸透してくる」
多喜也がベンチに座る咲花を見つめて、やや興奮気味に語る。
つい先程の様に照れて瞳を逸らしたりせず、真剣に咲花を見つめる。
咲花も笑顔でそんな多喜也の姿を見つめていた。