スーパーニート★パラダイス
「そしていつか頭の中に思い浮かべたキャラクターと自分自身が混ざり合い、重なり合う瞬間がやってくるんだ。そしてその時扉は開かれる!扉の向こうではファンタジーやSF、ミステリーやホラー、様々な世界が広がっていて、そこで俺は全く違う別人に生まれ変わる事ができるんだ!」
多喜也の興奮は増していく。
今日会ったばかりの、つい30分前まで名前も知らなかった年下の女の子を前にして何を真剣に語っちゃってるんだろうと考えたが、しかしそれでも自分を夢中にさせてくれた小説家の卵を目の前にして、多喜也はその興奮を抑える事が出来なかった。
「……わかります」
ベンチから、返事が返ってきた。