家元の花嫁【加筆修正中】


俺が知るこの半年の間でさえ、

あれだけのバイトをこなしていたんだ。


俺が想像するより遥かに辛かったに違いない。

考えれば考えるほど、彼女に手を差し伸べてあげたくなった。


っていうか、気づいたら目で追ってるって事は、

俺ってすでにあの子の事が好きなんじゃねぇの?!



この時、俺は初めて自分の気持ちに気付いてしまった。



それに、俺は本人を目の当たりにするまで、

どうしようかと凄く頭を悩ませていた。


だが、本人を目の前にしたら

悩みあぐねていた事すら忘れて、胸が高鳴るばかり。


バイト姿を垣間見るのとは違い、

間近で見る彼女は物凄く愛らしい。


バイトの時は大人びて見えたが、

高校の制服を身に纏った彼女は清楚な女子高校生だった。



紹介役の圭介さんが出掛ける事もあり、俺らも家を出る事にした。


圭介さんの妹がしつこく話し掛けて来たが

説明するのも面倒で半ば無視して彼女を連れ出した。


< 33 / 337 >

この作品をシェア

pagetop