家元の花嫁【加筆修正中】
俺が知るこの半年の間でさえ、
あれだけのバイトをこなしていたんだ。
俺が想像するより遥かに辛かったに違いない。
考えれば考えるほど、彼女に手を差し伸べてあげたくなった。
っていうか、気づいたら目で追ってるって事は、
俺ってすでにあの子の事が好きなんじゃねぇの?!
この時、俺は初めて自分の気持ちに気付いてしまった。
それに、俺は本人を目の当たりにするまで、
どうしようかと凄く頭を悩ませていた。
だが、本人を目の前にしたら
悩みあぐねていた事すら忘れて、胸が高鳴るばかり。
バイト姿を垣間見るのとは違い、
間近で見る彼女は物凄く愛らしい。
バイトの時は大人びて見えたが、
高校の制服を身に纏った彼女は清楚な女子高校生だった。
紹介役の圭介さんが出掛ける事もあり、俺らも家を出る事にした。
圭介さんの妹がしつこく話し掛けて来たが
説明するのも面倒で半ば無視して彼女を連れ出した。